ペンギンオヤジの舌癌闘病と母の介護

舌癌ステージ3の闘病と母の介護についての記録

【書籍005】「もしも、がんが再発したら 本人と家族に伝えたいこと」

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「もしも、がんが再発したら 本人と家族に伝えたいこと」
国立がん研究センターがん対策情報センター:編著
英治出版

 

私が2018年に癌が再発転移したときに手に取った1冊です。

 

癌が再発したときに知っておきたい再発癌についての知識に加えて、再発癌の患者さんの体験談もたくさん掲載されていて、心理面でも色々と助けられた思い出の一冊です。

 

現在(2019年11月)、紙の本は絶版になって手に入らないようですが、電子書籍Kindle)なら無料で読めるようです。

 

 

アマゾンの内容紹介

がんの専門家と体験者がともにつくった本

もしも、がんが再発したら――患者や家族・支援者はどのように再発を受け止めるのでしょうか。また、どのような治療法や支援サービスが用意されているのでしょうか。

患者の方々に寄り添い、支えることの助けとなることを目指して、実際に再発がんを体験された方々とともに「信頼できる情報で、わかりやすく、役に立つもの」をまとめました。 心構えのこと、病気や治療の知識から、費用・支援制度・療養に役立つヒントまで、がん患者さんとご家族にとって必要な情報がまとまっています。

 

再発癌について知っておきたい知識

 

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再発・転移とは?

 

「再発」とは、治療がうまくいったように見えても、手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、薬物療法抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったり、別の場所に同じがんが出現することをいいます。治療した場所の近くで再発を指摘されるだけでなく、別の場所で「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。

 

「再発」とは?
- 癌が再びできること
- 治療によって小さくなった癌が再び大きくなること
- 最初の癌とは別の臓器で癌が発生すること=「転移」

 

「再発」の分類
- 局所再発・・・最初の癌と同じ場所、またはその近くに癌ができること
- 領域再発・・・最初の癌発生場所の近くのリンパ節または組織で癌細胞が成長すること
- 遠隔(全身)再発・・・最初の癌の発生場所から離れている器官、組織に転移してること

 

原発巣(げんぱつそう)」とは
- 最初にできた癌の部位

 

再発癌の治療について 

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がんの治療の目標には、「がんを治す(根治)」、「がんの進行を抑える」、「がんによる症状を和らげる(緩和)」ことがあげられます。

 

初回の治療では、多くはがんが臓器の中にとどまっているので、根治を目標にして治療を行います。再発や転移したがんの場合でも根治を目指すことができる場合もありますが、ほとんどの場合は困難で、「がんの進行を抑える」こと、「がんによる症状を和らげる」ことが治療の目標になります。

 

ここまでのことを私の場合に当てはめると、次のような感じになります。

 

原発巣は、舌。

 

再発転移した場所は、舌のすぐ近くの首のリンパ節なので「領域再発」ということになります。

 

幸いにも今回は頸部リンパ節の切除のための手術、その後の放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)で根治を目指す治療を受けることができました。

 

しかし、セカンドオピニオンを受けたときに「舌癌は肺に転移することが多い」と言われていて、もしも肺に転移したとなると、それは「遠隔再発」ということになります。

 

先日、定期の外来に行ったときにドクター(主治医)に、

 

「次に再発したら、それって遠隔転移になりますよね?」とたずねたところ

 

「よくご存じで・・・、もしも、そうなったら手術では取り切れないんですよね」と言われました。

 

つまり、仮に肺で再発した癌が見つかったとしても、他の臓器へも癌細胞が転移している可能性が高く、全身癌となってしまうということらしいです。

 

次々に癌の再発が見つかる患者さんがいますが、それは原発巣から全身に癌細胞が「飛んでいってしまって」もう体のどこで癌が発生しても不思議じゃない、ってことなんですよね。

 

「がんが再発転移した」とひと口に言っても、このように症状も治療も違ってくるということは知っておいた方がいいと思います。

 

再発癌の告知を受けるときに大切なこと

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再発がんの告知は、初発のがんの告知以上につらく、ショックを受けるものだといわれています。

 

実際、私もドクターから再発転移の告知を受けたときは、ショックというか、ものすごく落胆してしまって、告知の後にドクターと何を話したか、まったく記憶にありません。。

 

もしかしたら、治療のことについて大切なことを聞いたのに、忘れてしまっているんじゃないかとも、今さらながら思います。

 

こういう体験は私だけじゃなく、この本に収められている患者さんの体験談で次のようなことを書いている人がいました。

 

自分は冷静なつもりでいましたが、実際には、聞けていなかったり、覚えていない、聞いたつもりでも理解していないということが本当にあるんだなあと思いました。

 

この体験談の方は医師から説明を受けるときに、医師の話を録音していたそうです。

 

そして、手術が終わった後、ベッドにいるときに痛みや不快感を感じて「こんなこと聞いてない!」と思ったそうですが、録音しておいたテープを聞き直してみたら、ちゃんと医師から事前に丁寧な説明をうけていたことが分かったのだとか。。

 

再発の告知を受けて、頭が真っ白になっているときって、医師の説明もちゃんと聞けてないことが多いのかもしれませんね。

 

そうすると、治療の選択を間違えてしまったり、主治医に対してあらぬ不信感を抱く原因にもなってしまいますよね。

 

自分が癌の告知を受けるとき、治療について医師から説明を受けるときなどは、できれば患者一人で話を聞くのではなく、家族の誰か、または親しい友人と一緒にいることが大切なのではないか、とこの本を読んで改めて思いました。

 

何かの事情で自分一人で医師からの告知や説明を聞くのであれば、メモを取りましょう!

 

私も入院中や、退院後に外来を受診するときなどは必ずメモを持って行くようにしてます。

 

緩和ケアについて知っておきたいこと

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緩和ケアは最期に受診するところではなく、少しでも快適に生活していくために必要な治療をしているところなんです。

 

私もこの本を読むまでは「緩和ケア」は、末期でもう手の施しようがない患者さんが受診するところだと思い込んでいました。

 

でも、実際はどんな病状であっても、痛みなどを緩和するために受診することができるところなんですね。

 

癌の痛みって、たぶん2つあると思うんですね。

 

「体の痛み」と「心の痛み」

 

その両方を緩和してくれるのが「緩和ケア」なのです。

 

とくに体の痛みがひどいと、きちんとした判断ができなくなってしまうことってありますよね。

 

この本では自分の痛みを、どうやって伝えればいいのか、かなり詳しく書いてあって治療を受けるときには参考になると思います。

 

がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関は緩和ケアに対応できる機能があり、入院だけでなく外来診療でも対応できるように整備が進められています。

 

がん診療連携拠点病院は各都道府県にあり、ネットでも調べることができます。

 

「がん診療連携拠点病院などを探す」(がん情報サービス)

 

また、がん診療拠点病院には「がん相談支援センター」もあり、がんに関するさまざまな質問や相談に専門の研修を受けた相談員が対応してくれることも、この本に書いてあります。

 

最後に・・・(感想に代えて)

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この本では、再発癌について色々なことが知れたのはもちろんのこと、多くの方々の体験談を読めたことが一番よかったと思ってます。

 

癌の再発の告知を受けたとき、つらい治療に苦しんでるとき、ものすごく気持ちが落ち込んだり、人を羨んだりしたことがありました。

 

リア充してる友人たちのSNSを眺めがら、「どうして・・・」と思ったこともあります。

 

総じて、初発の癌の時よりも再発した癌の方が厳しい状況に追い込まれることが多いと思うんですよね。

 

私は幸いにも再発癌でありながらも根治を前提に治療を受けることができています。だけど、放射線治療のダメージと後遺症は想像以上で、今でも少なからず生活に支障があります。

 

そんなときに、再発癌を経験された他の方々の体験談を読むと、「つらいのは自分だけじゃない!」と思えたし、自分よりも厳しい状況のなかで前向きに生きている人の話に勇気づけられたりもしました。

 

また、この本では「死」というものについても逃げることなく色々なことが語られています。

 

癌患者のなかには「死」についての話なんて聞きたくもない!という人もいると思います。

 

だけど、「死」を考えることは「生」を考えることでもあるんですよね。

 

それに医療の進歩によって、癌が根治できないことが即「死」ということではなく、癌と共存しながら長く生きていくことも出来るようになってきました(樹木希林さんのように)。

 

癌が再発して根治が難しいとなったら、否が応でも「死」を意識しないわけにはいきません。そうなってしまった時に、以後の人生をどう生きるか?というのはとても大切な問題だということを、この本を読んで感じました。