ペンギンオヤジの舌癌闘病と母の介護

舌癌ステージ3の闘病と母の介護についての記録

【書籍001】「がんを告知されたら読む本」谷川啓司:著

「がんを告知されたら読む本」

 

「がんを告知されたら読む本ー専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話」

谷川啓司:著
プレジデント社

 

 

癌を告知されて、最初は気持ちが乱れました。

だけどその後、何とか気持ちを立て直し「これから生きるための闘いをしなければならないんだ!」と決意したのは前回のエントリーで書いたとおりです。

 

前回:【闘病004】検査結果「ステージ3の舌癌」首への転移あり

 

だけど、癌と闘うといっても癌に関する知識も何も持ち合わせていないので、具体的に何をしたら良いのかさっぱり分かりません。

 

そこで情報を集めようと思い、先ずは癌に関する本を読んでみることにしました。

 

アマゾンの内容紹介

抗がん剤、病院選び、がんの正体・・・妻と父を”がん”で失った医師が分かりやすく伝える、がん治療の基本。患者さんと家族に読んでもらいたい、がん治療書の決定版。

目次:
第1章 がんを知ろう
第2章 なぜ、がんで死ぬのか?
第3章 なぜ、がんは治りにくいのか?
第4章 がんに免疫がうまく働かない理由
第5章 がん治療の基本
第6章 がんの三大治療
第7章 治療で目指すべき目標
第8章 三大治療以外のがん治療
第9章 免疫力を上げる
第10章 がん治療と心

 

癌とはどういう病気なのか?

 

なぜ癌で死ぬのか?

  

手術、抗がん剤治療、放射線治療のメリット、デメリット

 

癌治療に対する心得

 

癌に関してかなり分かりやすく書かれていました。

 

その中で、私にとって特に参考になったのは

- 免疫についての話し
- 癌治療の目的と心得

この2点です。

癌とはどういう病気なのか

現代は日本人の3人に1人ががんで亡くなり、2人に1人はがんにかかるという時代です。

がん細胞には、正常な細胞とは違う次のような特徴があります。

(1)いつまでも増え続ける

(2)発生場所とは別の場所に移転できる

 

人間には60兆個の細胞があるといわれています。

 

その細胞は分裂を繰り返していて、古い細胞は遺伝子情報を新しい細胞へコピーして(分裂して)寿命を迎え、老廃物として体外に排出されます。

 

しかし、遺伝子のコピーをするときに時おりミスが発生します。このミスが癌細胞の原因とされています。

 

コピーミスの細胞は正常な細胞と違って「寿命で死ぬ前に数多く分裂し、いつまでも増え続ける性質」を持っているので、癌細胞はいつまでも増え続けるのです。

 

そして増え続けた細胞は塊となって腫瘍になります。

 

がんにはもう一つ、別の特徴があります。それが「身体のほかの場所に浸潤(広がりながら増えること)や移転できる」という性質です。この特殊な性質がなければ良性腫瘍、あれば悪性腫瘍ということになります。この悪性腫瘍が”がん”なのです。

 

正常な細胞は、例えば肺の細胞は分裂して新しい細胞になっても肺でしか生きられないそうです。胃の細胞は胃、肝臓の細胞は肝臓でしか生きられず、決してほかの臓器の細胞になることはありません。

 

しかし、癌細胞は例え肺で分裂したとしても胃や腸へと場所を変えて生きることができるとのこと。

 

だから「癌は転移する」といわれるんですね。

 

ここまで読んで、何となく癌の特徴は理解できたように思いました。

 

そしてもう一つ。

 

なぜ人は癌で死ぬのか?ということについても書かれていて、読んでいて「なるほど!」と頷いてしまいました。

 

死に至るためには条件が必要であり
その条件が満たされなければ
いくらがんが進行しても私たちは死なないのです。

 

死に至る条件とは何か?・・・この点については是非とも本書を読んで私と同じように大きく頷いて欲しいと思います。

 

免疫についての話し

私たちの身体には免疫という病気と戦うしくみが備わっており、がんの治療においても、この免疫の力を上げることがとても大事である。

 

がんと診断されると手術や抗がん剤治療などを受けますが、どんな治療を行っているときでも”がん細胞”に対して常に戦っているのは免疫である、という事実は頭に入れておく必要があります。

 

魔法のような効果を期待するべきではありませんが、免疫を上げるためにできることは、がんと診断された直後から始めるべきだと思ってください。

 

この本の中では、癌治療を受けるにあたって「免疫力を上げる」ことの大切さが繰り返し書かれています。

 

そして免疫の仕組みや、なぜ免疫が癌に勝てないことがあるのかということについても分かりやすく書かれていて、色々と勉強になりました。

 

では、免疫力を上げるためには具体的に何をすればよいのでしょう?

 

免疫を上げるために、心理的ストレスを軽減することはとても重要です。私たちの心の状態と身体を守る免疫は、非情に密接に連携しています。

 

癌を告知されると、人によって程度の差はあるでしょうが気持ちが落ち込んだりするのがフツーだと思います。

 

だけど、そういう心理的ストレスを抱えたままだと免疫力が下がってしまい、せっかくの癌治療の効果もイマイチになってしまうのだとか。

 

逆に前向きな気持ちで治療に取り組めば、免疫力も上がり治療の効果も高まるらしいです。

 

興味深かったのは、認知症の人が癌になったとき自分が癌であると認識しないので、癌治療の効果が高まることがあると書かれていて、思わず「へ~」って思いました。認知症にも思わぬ効能があるんですね。

 

免疫を上げるための具体的な方法については、著者が免疫療法の専門医であることから医療の現場でどのように施術を行っているのかは書いてあります。

 

しかし、日常生活を送る中で、例えば、どんな食べ物が免疫を上げるのかというようなことについてはさらりと触れてあるだけなので、ちょっと物足りない感じ。

 

ただ、免疫を上げるためにできることは自分でもできるだけやってみよう!と思いました。

 

癌治療の目的と心得

がんは完治させるに越したことはありません。しかし、同時にがんを完治させるのは難しいという現実も見なければいけません。 治療の目的はがんを「完治」させることだけでしょうか? 大切なことは元気に生きて本来の寿命をまっとうすること、即ち「延命」ではないでしょうか。

 

癌が再発してしまった、という話しはよく聞きますね。

 

なぜ癌は再発するのでしょう?

 

手術をして癌を切り取っても、癌細胞が一つでも残っていたら、やがてそれは確実に増殖して癌腫瘍を作り出してしまうから・・・ということらしいです。

 

裏を返せば、癌を完治させるためには癌細胞を一つ残らず根こそぎ退治しないといけないということになります。でも、実際はそいういうケースはあまり無いということ。

 

読みながら、「う~む」って思いましたね。

 

そう簡単に治らないなら、これから先もずっと癌という病気と付き合っていかなければならない、ということですからね。

 

ただ、お付き合いするにあたって「また、いつ再発するのだろうか?」とびくびく疑心暗鬼になって暗くうつむいて残りの人生を過ごすのは、あまりよろしくない。

 

それよりも、今の生活の質(Quality of life)を維持しながら、本来の寿命と同じくらいまで「延命」するという気持ちで検査なり治療を受けた方が良いし、何よりも前向きに生活を楽しんでいる方が免疫力も上がり、再発の可能性が低くなる。 ・・・というのが、この著者の主張です。

 

癌になってしまった、という事実は変えられないし、癌が治りにくく再発することがあるというのも事実。

 

変えられない事実をあれこれ思い悩むよりも、癌の完治を目指すのではなく、癌と共存しながらも生活を楽しみ、自分本来の寿命まで元気に延命を図る。

 

これって、すごい発想の転換だと思うのですが、読んでいて妙に納得してしまいました。

 

考えてみれば、癌と共存しながらも長生きして活躍された芸能人、著名人っていますよね。

 

癌とういう病気の実態を知る

がんを告知されたら、まずしなければならないのは、がんは怖いという表面的なイメージにとらわれるのではなく、がんという病気の実態を知ることです。

 

これは本当にその通りだと思いました。

 

私も元気なときは癌について知ろうともしなかったし、何より「自分が癌にはならない!」という根拠のない自信がありました。

 

でも、いざ自分が癌になってみると、いかに自分が癌という病気に関して無知であったかを思い知りました。

 

そして無知であったが故に余計な妄想を抱いて、余計な恐怖を感じていたのだと思います。

 

「敵を知り、己を知れば、百選危うからず」というお馴染みの古語がありますが、癌という病気のことを知る。それが癌治療の第一歩だと、この本を読んで思ったのでした。

 

それから、これは後々分かってきたことなのですが、世の中には癌に関するトンデモ本、インチキ本というのがけっこう出回っています。

 

事実に反することを書いた本や、著者の勝手な思い込み、独善的な主張を基にして書かれている本。

 

こういう本を読んで、うっかり信じ込んだばかりに命を落としてしまった人さえいるのです。

 

その点、本書は「まとも」というか、タイトル通り癌を告知されたら最初に読む本としてピッタリだと思いました。